国内外の映画祭で高評価続出の衝撃のラブストーリー
渋谷・猿楽町を舞台に、嘘だらけのヒロインと、
さまざまな男女の夢と欲望が交錯する

 次代を担うクリエイターの発掘・育成を目指して、まだこの世に存在しない映画の予告編を制作し、グランプリは制作費3,000万円で本編を映画化する、「未完成映画予告編大賞MI-CAN」。応募のルールは「3分以内の予告編映像」と、「作品の舞台となる地域名をタイトルに入れる」ことの2つ。堤幸彦、大根仁、平川雄一朗、岡田惠和、川村元気らトップ・クリエイターが審査員を務める中、205編の応募作から満場一致で第2回グランプリを獲得した、児山隆監督の『猿楽町で会いましょう』。
 受賞作となった予告編は、純朴そうに見えて実は嘘だらけのヒロインを演じた石川瑠華の透明感と裏腹の影を湛えた演技と、高級住宅街と昭和のたたずまいを残す町並みが混在する渋谷・猿楽町を切り取った美しいショットと相まって、ここからはじまる物語を喚起させる圧倒的な力に溢れていた。本編制作にあたっては、児山監督は予告編で描かれたディティールに捉われることなく、物語を再構築。当初はミステリアスな存在であったヒロインを、恋人となるカメラマンの青年の目を通して、より実在感のある女性として描く一方、二人を取り巻くさまざまな男女の夢と欲望が交錯するドラマを重層的に紡いでみせる。
 本作は、第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に正式出品され、映画ファンからの高い評価を獲得。その後、ウディネ ファーイースト映画祭2020コンペティション部門ノミネート、台北ゴールデンホース映画祭(台北金馬映画祭)に正式招待された。国内外の映画祭で高評価が続出した衝撃のラブストーリーが、ついに劇場公開となる。

最注目の若手実力派俳優・金子大地と、
予告編で鮮烈なヒロインデビューを飾った石川瑠華W主演で描く、
都会で生きる男女のリアルな性愛。

 主人公の駆け出しカメラマン・小山田修司を演じるのは、金子大地。「アミューズオーディションフェス2014」での俳優・モデル部門受賞を皮切りに、よるドラ「腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK)での主演や「おっさんずラブ」(ANB)などドラマや映画、舞台など幅広く活躍し、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への出演も控える若手実力派俳優。映画本編からの参加となるが、児山監督が金子との初対面でこれまでのどの出演作とも違う素顔に「出会って30秒で出演をお願いした」という。
  予告編にひきつづきヒロインの田中ユカを演じるのは、石川瑠華。’17年の「MI-CAN」応募時にヒロインを探していた児山監督が、石川本人がinstagramにアップした写真を見て、ダイレクトメールを通じて出演交渉。映像出演経験がまったくないにもかかわらず、鮮烈なヒロインデビューを飾った。選考会でも彼女の存在感は話題を呼び、監督、プロデューサー以下全員一致での続投が決まった。石川は、金子とのラブシーンにも果敢に挑戦。また、あるシーンでは予告編で使用された石川のショットがそのまま使用されている。
  撮影中、児山監督は金子とのみ事前に打ち合わせて、ユカの嘘を小山田がどう追い詰めてゆくか、その方法を探った。金子は石川との撮影でいきなり怒鳴ってみたりアドリブ演技を取り入れることで、石川のリアルな反応を引き出して緊張感あふれる二人のシーンが生み出されている。こうした演出は、ほかのキャストにも行われ、芝居に応じてセリフのニュアンスを細かく変えてみたり、追加することで、都会に生きる男女の性愛をリアルにあぶり出している。

作品を彩る新鋭キャストと、
児山隆監督と共に広告業界で映像センスを磨いた
スタッフによるベストワーク。

 本作を彩るキャストには、若手俳優の新鋭から異色の俳優まで個性豊かな顔ぶれが揃った。ユカのもう一つの顔を知る男・北村良平には、MEN’S NON-NOモデルグランプリでデビュー以降、『クローズ EXPLODE』(’14)、『東京喰種トーキョーグール』(’17)、『チェリーボーイズ』(’18)など、俳優としても活躍する栁俊太郎。ユカのタレント養成所の級友・大島久子には、演技未経験ながら三池崇史監督作品『初恋』(’20)で応募総数3,000名のオーディションで主演の窪田正孝の相手役を獲得、以降も、永瀬正敏、窪田正孝共演の『ファンシー』(’20)と話題作への出演がつづく小西桜子。小山田とユカの出会いのきっかけをつくる雑誌編集者・嵩村秋彦には、シンガーソングライターとして活動する一方、みうらじゅん原作・安齋肇監督『変態だ』(’16)の主演やNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺〜」(’19)にレギュラー出演するなど、俳優としても異彩を放つ前野健太。それぞれが表の顔とは違う一面を覗かせる人物を、妙演、怪演してみせる。
  監督の児山隆は、林海象監督の下で助監督を経験した後、広告業界でTOYOTA、LINE、Google、マクドナルドといった大手企業のCMを手掛けてきたCMディレクター。「MI-CAN」グランプリ受賞時は、CMでも気心の知れた撮影・松石洪介、照明・佐伯琢磨のコンビと応募し栄冠を勝ち取ったが、今作でもひきつづき同じ撮影、照明コンビで臨む。さらに、美術には『万引き家族』(’18)や『こんな夜更けにバナナかよ』(’18)などの美術デザイナー・三ツ松けいこを迎え、小山田のアパートをはじめとする猿楽町のさまざまな場所を児山監督と綿密な打ち合わせを重ねて美しくも情感豊かに彩っている。そして、劇中で小山田が捉える写真は、新進気鋭の写真家、草野庸子撮影によるもの。友人や身近な人たちの何気ない日常をありのままに写し出してきた草野が、小山田とユカのかけがえのない一瞬をつぶさに切り取った。

6月4日(金) 渋谷ホワイトシネクイント、
シネ・リーブル池袋  全国順次ロードショー