小山田修司(金子大地)は、フォトスタジオアシスタントから独立した、駆け出しのカメラマン。売り込みに行った雑誌編集者の嵩村秋彦(前野健太)には、「作品にパッションを感じない。ちゃんと人を好きになったことがある?」と厳しく意見される。仕事の代わりに嵩村に紹介されたのは、インスタグラム用の写真を撮影してくれるカメラマンを探していた、読者モデルの田中ユカ(石川瑠華)だった。
  渋谷でユカと待ち合わせた小山田は、作り笑顔のユカを何気ない会話でリラックスさせながら撮影してゆく。ユカに彼氏がいないと知った小山田は、写真チェックを口実に彼女を猿楽町のアパートに誘う。なにもしない約束でユカを泊めるが、強引に迫って彼女に泣かれてしまった。目を覚ました時にはユカの姿はなく、小山田の撮った写真だけはしっかりとユカのインスタグラムにアップされていた。
 ユカのインスタをフォローしていた小山田は、彼女が新しいプロフィール写真を撮りたいという書き込みを見て、チャンス到来とばかりに、撮影をさせてほしいとLINEメッセージを送る。なんとか撮影にこぎつけて、ふたたびユカを部屋に誘うが、彼女のペースではぐらかされてなにごともないまま別れてしまう。しかし、小山田が撮影したユカの写真は編集者にも評判が高く、彼女の存在は小山田にとってかけがけのないものになっていた。猿楽橋でユカへの好意を正直に告げる小山田に、ユカはこう口にする。「好きだったこととか、会いたかったこととか、人って忘れちゃうじゃん」。どこか哀しげなユカの言葉に、小山田はもっとユカを撮りたい、自分ならきっと本当のユカを撮れるのではないかと思いを伝える。小山田の言葉に笑顔を見せたユカは、彼の告白を受け入れて「よろしくお願いします」と答えた。その日から、ユカは小山田にとって最愛の被写体となった。会うごとに彼女のさまざまな表情に魅了されながら、街中でシャッターを切り続けた。しかし、ユカは決して小山田を自分の部屋には入れようとしない。小山田は、ユカとの間にまだ見えない壁がある気がしていた。
  そんなある日、以前、小山田が売り込みに行った編集者から仕事の依頼が舞い込んでくる。その矢先に、突然、泣きはらした顔のユカがアパートにやってきたのだ。打ち合わせに向かおうとしていた小山田に抱きついて「お願い、ひとりにしないで」と懇願するユカ。小山田のなかで溜まっていた思いが爆発して、そのまま二人は初めて身体を重ねた。

 数日後、小山田は意を決してユカの住むマンションの部屋を訪ねる。ところが、目の前でユカの部屋に入って行く男の姿を目撃してしまう。部屋のなかに聞き耳を立てる小山田だったが、、、

6月4日(金) 渋谷ホワイトシネクイント、
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